本居宣長

「世の中に、死ぬるほどかなしき事はなきものなるに、かの異國の道々には、或はこれを深く哀むまじき道理を説き、或は此ノ世にてのしわざの善惡、心法のとりさばきによりて、死して後になりゆく様をも、いろいろと廣く委く説たる故に、世ノ人みなこれらに惑ひて、其説共を尤なる事に思ひ、信仰して、死を深く哀むをば、愚なる心の迷ひのやうに心得るから、これを愧て、強て迷はぬ ふり、悲まぬ體を見せ、或は辭世などいひて、ことごとしく悟りきはめたるさまの詞を遺しなどするは、皆これ大きなる僞のつくり言にして、人情に背き、まことの道理にかなはぬことなり、すべて喜ぶべき事をも、さのみ喜ばず、哀むべきことをも、さのみ哀まず、驚くべき事にも驚かず、とかく物に動ぜぬを、よき事にして尚ぶは、みな異國風の虚僞にして、人の實情にはあらず、いとうるさきことなり、中にも死は、殊に哀しからではかなはむ事にして、國土萬物を成立、世ノ中の道を始めたまひし、伊邪那岐大御神すら、かの女神のかくれさせ給ひし時は、ひたすら小兒のごとくに、泣悲みこがれ給ひて、かの豫美國まで、慕ひゆかせたまひしにあらずや、これぞ眞實の性情にして、世ノ人も、かならず左様になくてはかなはぬ 道理なり、それ故に、上古いまだ異國の説の雜らざりし以前、人の心直かりし時には、死して後になりゆくべき理窟などを、とやかくやと工夫するやうの、無益のこざかしき料簡はなくして、たゞ死ぬれば豫美國にゆくことと、道理のまゝに心得居て、泣悲むよりほかはなかりしぞかし」
なんとなくこの映画思い出したり。

異人たちとの夏 [DVD]

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幼い頃死んだはずの両親と再会する。
主人公は、もう中年のオヤジなのに両親は、全然そんなの気にしないで接するんですね。

後この映画も死んだ人たちが帰って来る。

黄泉がえり [DVD]

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結局またさよならしないといけないんですけどね。

猿の手猿の手と。。
猿の手 - Wikipedia
「あらすじ
老いたホワイト夫妻は猿の手のミイラを手に入れた。 元の持ち主のモリス軍曹が言うには、その猿の手には魔力が宿っていて、持ち主の望みを3つだけかなえる力があるらしい。 ホワイト氏は冗談半分に、猿の手に「裕福になれますように。」と願った。

その翌日、一人息子のハーバートが死んだとの知らせが届く。夫妻には、息子が悲惨な死に方をしたことの代償として200ポンドが支払われた。

老夫婦は息子の死を嘆き悲しんだ。そして、猿の手に「死んだ息子を返してくれ!」と願った。その夜、夫妻は家のドアを何者かがノックする音に気付く。夫人はその者を迎え入れようとしたが、不吉な気配を悟ったホワイト氏は猿の手に3つめの願いを祈った。激しいノックの音は突然途絶えた。

結局、ホワイト夫妻の手元には200ポンドだけが残った。」

この曲も、聞きます。泪月を聞きながら歩く。

月のしずく

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